2015年4月11日土曜日

教師に一番必要な道具とは?

新学期が始まりました。
私も新たな学年で、新たな子どもたちと出会い、新たな学級で新たな一年をスタートしました。教師になって、何回目かの春ですが、この季節はいつも緊張します。ふだんひどい肩こりがなお一層ひどくなります。

さて、ここ最近はなんだか教育にまつわる問題点ばかりを書いていたような気がするので、今回は気楽なことについて書いてみようと思います。

それは、道具です。

プロは道具にこだわる、とよく聞きます。
イメージしやすいところを言えば、

美容師さんならハサミ、
大工さんならカンナ、
デザイナーさんならペン、
営業マンならスケジュール帳、

といったところでしょうか。
私のイメージはあまりにステレオタイプかもしれません。お許しを。

では、教師の道具で「これ!」というものは一体なんなのでしょう?


私が思うに、教師が自分で用意する必要のある一番の道具は、

ストップウォッチ

です。

赤ペンではありません。
たしかに赤ペンにこだわる教師もたくさんいらっしゃると思います。
万年筆だったり、ソフトペンだったり、こだわりのペンで
採点されたら、子どもたちもうれしいかもしれません。


でも、ペンはこだわりがなければ、学校の事務室で用意してくれているものを使えば事足ります。
ストップウォッチは、そうはいきません。

学校には体育で使ったり、体力テストで使うためにいくつかのストップウォッチがあります。しかし、各教室にはありませんし、ましてや教師一人一人にストップウォッチは支給されることはありません。(少なくとも私の務める自治体では)

だから、自分で用意する必要があるのです。

そして、ストップウォッチは、「不意に」必要になるものなのです。
常に必要なものではないかもしれません。
でも、ふとしたときに必要になるのです。


例えば、

100マス計算をさせるとき。
100マスでなくても、「この問題を3分でやって」と言うとき。
ドッジボールをするとき。(時間をはかってやるので)
「隣同士、1分相談!」と言うとき。

これらは毎日のようにあるシーンです。とにかく、小学校教師は子どもたちに時間の区切りを常に意識させています。


年に何回かある場合を考えれば、

運動会のダンス演技の入場から退場までの時間を計るとき。
休んでいた子が50m走を計ってと体育の最後にいきなり言ってきたとき。
校外学習で駅まで歩く時間を計るとき。

など、本当にこちらが用意万端でストップウォッチを持ってなさそうなときに、時間を計らなければならない時がやってくるのです。

だから、私は時計をデジタルに変えました。
個人的には針の腕時計が好きなのですが、今はデジタル時計を使っています。

最初はG-SHOCKを試してみましたが、どうもストップウォッチとして使うには、少しボタンが押しにくいことが分かりました。普段は時計として使うのはもちろん、腕にはめたまま計測がしやすく、タイムを保存しておけるものが必要であると分かってきました。

今、現在、私の教師生活で、一番使いやすいと思っているものが、ランニング用の時計です。

ランニング用の時計は、走りながらでもボタンが押しやすいものが多く、かつ、タイムを50件、100件と保存しておけます。もちろん防水、耐気圧なので、プールのときもはめっぱなしで指導も計測もできます。

ただしランニング用の時計のデザインはあまりにスポーティーなので、普段着にもスーツにも合わないですが、そこは仕方ありません。

でも、そんな不格好を差し引いても、常に自分の腕にストップウォッチがあることは何ものにも代え難い便利さがあるのです。
授業中に必要を感じても、職員室や倉庫に取りにはいけませんし、取りにいくのも億劫です。いつもは必要でなくても、いつも身につけていないと必要な時には使えません。


計算や相談でストップウォッチを使うと、子どもたちを、そんなに時間で縛って、プレッシャーをかけているのかとご批判をいただくかも知れませんが、時間の縛りは子どもたちの集中力ややる気を、一段引き上げます。その集中した時の空気はとても気持ちのよいものです。この集中力はなぜか、教室の時計の秒針で計っては発揮されません。目の前で教師がボタンを押す、そのポーズが必要らしいのです。
(自分の指導力のなさを、ストップウォッチで誤摩化しているのかもしれませんが)


というわけで、この春、教師としてスタートを切ったみなさま、時計をランニング用に買い替えましょう。スマートウォッチが話題の昨今ですが、スマートウォッチは電池が不安です。教師の時計は、ランニング用に限ります。軽くて、丈夫で、見やすくて、押しやすくて、そして高くない。

今回はなんだか宣伝みたいになりました。
時計メーカーのみなさま、学校に営業かけたら、きっと売れますよ、ランニングウォッチ。