近年、通知表が全国的にどんどん電子化され、プリントアウトした活字になってきています。
もちろん、5とか◎とかの評定だけではなく、担任の先生が書いてくれるコメントもです。
我が身を振り返ってみれば、先生がいったい自分について何を書いてくれるのか、それを楽しみにしていたような気もします。ただ、昔のことなのではっきりとは覚えていません。
その通知表を教師が作成する際の作業が、要するに手書きではなく、パソコンに移行しているのです。
思えば、当たり前の話です。
テストの点数だって、普段のちょっとした評価点だって数字である以上は、合計するにしろ、平均を出すにしろ、エクセルで管理をした方が便利です。情報化が世間と比べて10年遅れていると言われている学校現場でもさすがにそれくらいのことをしている教師はいます。とはいえ、私の周りの小学校教師の多くは、紙に記録し、電卓をたたいています。
少しずつでもエクセルが普及しているのであれば、当然、コメントだって同じファイルの別シートで管理した方が便利であるのは明白であって、手書きをするコメントの下書きを書くのなら、当然のようにエクセルで下書きをすることになります。
それならば、そのエクセルでデータとしては出来上がっているものをわざわざ手書きで清書することに疑問を抱き、レイアウトを整えてそのままプリントアウトしようとするのは何も突飛なことではなく、ごくごく普通のことです。
ところが私の学校の話をしますと、これがなかなか進みませんでした。年配教師によるパソコンアレルギーはもちろん、恐ろしく例年通りを好む現場風潮、そして何より「パソコンは味気ない」という感覚があるからです。
確かに手書き文字の力はあるでしょう。肉筆と言うくらいです。その力は広告などでも既成フォントを使わずに手書き文字を使ったり、題字の仕事があることからも分かります。
しかし、見た目でおとるのならば、内容で勝負するべきです。タイプで書きやすくなった分、推敲を重ねればいいでしょう。手書きでは出来なかったことがきっと出来るはずです。そして、何よりも、恐ろしく丁寧に書くことや間違いをこれもまた恐ろしく丁寧に砂消しゴムで消すことから解放される時間の膨大さは計り知れません。
肥大した学校現場の仕事量を考えば、メリットは大きすぎます。
きっと、手書きと決別することで、教師自身はもちろん、学期末に少しでも担任が楽になることで生まれる精神的余裕は、クラスの子供たちにとっても嬉しいことのはずです。
手書きの力を信じるのならば、ふだんのノートや連絡帳にできるだけたくさんコメントを書けばいいのです。
まあ、これがまた難しいのですが…
ともかく、ようやく私の学校では来年度より手書きとサヨナラです。