もちろん、付属小学校や熱心な自治体では、何年も前から英語など小学一年生から取り組んでいるものかもしれません。
私もドレミの歌や、曜日の歌に取り組んでいる授業を見たこともあります。
しかし、今年の春より指導要領改正により、5、6年生では英語活動に取り組むことがすべての小学校で必修となりました。
英語ではありません。
英語活動です。
これは、英語に触れてみるものの、英語を教えるわけではない、活動はするけれど成績を付けない、ということです。成績なんぞをつけて、中学校へ上がる前に英語嫌いになったら本末転倒だということみたいですが。
さて、前置きはこれくらいにして、じっさいに今、小学生がどんな英語活動をしているのかを私の学校を例にお話しします。
年間授業数の半分は、ALTと呼ばれるネイティブの先生が来られ、子どもたちに授業をしてくれます。担任の教師は、事前に「こんなことをやってほしい」と伝えれば、快く引き受けてくださいます。ALTとして経験の長い先生は、英語はもちろん、日本語も上手だし、子どもたちの扱いもとっても上手です。日本人とはひと味違うハイテンションも子どもたちにとっては、新鮮に映ることでしょう。
「英語ってなんだか楽しそうだな」と思う子どもたちも多いはずです。
うん、文科省さん、ねらいどおいだね。
しかし、です。
問題は、ALTが来ない残りの半分です。
いったい、英語の免許も持たない、日本人の教師が英語学習で何をするのでしょう?
もちろん教科書はありますし、CDもありますし、電子黒板を使う教材も用意されています。とはいえ、教科書を読み、ALTの先生をまねてみたところで、子どもたちはなんとなく違和感を感じながら授業を受けるでしょう。(私はまだしたことがないからわかりません)
違和感の理由の一つは、目の前の先生がいきなりその時間だけ英語を話し始めることにあります。英語を教えているのならば、違和感はありません。でも、英語活動は英語に親しませるけれど、英語を教えてはいけないのです。英語を教えるのならば、そりゃ少しくらいは教えることができます。仮にも大学を卒業しているのですから。しかし、英語で活動となると、いったいネイティブでもない私たちになにができるのか、とふと疑問に思ってしまうのです、きっと。
そしてやっぱり、この問題がつきまといます。
発音です。
英語を教える免許はないし、得意どころかまったく話せない、海外旅行だってパックツアーしか行ったことがない、という人が小学校教師のほとんどです。
(ちなみに教師は異常にパックツアーが好きです。そして必要以上に連れ立って海外旅行へ出かけていきます。群れるのがすきなのかなあ・・・)
そんな自分が子どもたちに向かって「How are you?」と投げかけることに、ものすごい抵抗を感じるのです、きっと。
英語に堪能な保護者がいたら、何か言ってこないかと不安になるのです、きっと。
(もう一度言いますが、わたしは授業をしたことはありません。しかし、同僚はそんなようなことを言っています。)
それじゃあ、教師よ。
個人旅行で一度海外へ行け。
と、私は言いたい。
そうしたら、わかるはずです。
タイ人はやたらと、フニャフニャした英語をしゃべると。
韓国人はやたらと、パピプペポが強い英語をしゃべると。
中国人はやたらと、ブツ切れの英語をしゃべると。
フランス人はやたらと、息の多い英語をしゃべると。
スペイン人はやたらと、聞き取りやすい英語をしゃべると。
それでいいじゃないですか。
大事なのは、自分の意思を伝えようと懸命に話すことです。
世界の国々は、ブリティッシュイングリッシュをなぞろうなんて考えていません。ましてやニューヨーカーになろうなんてこれっぽっちも考えていないのです。ただ、英語で意思疎通をすることに主眼をおいています。
私が出会ったタイ人も、韓国人も、中国人も自分の英語を恥じてはいませんでした。
だから、日本人ならば、母音が5つしかない英語を話せばいいのです。
それで通じます。
通じなければ、もう一度言えばいいのです。
それが、コミュニケーションの素地を養うということでしょう。
私は自分の発音に自信はありませんが、恥じてはいません。
さあ、れっつ、とーく、いん、いんぐりっしゅ!
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