教員免許というものは、とりあえず取っておくものだ。
大学時代、私の周りの友人たちはそう言っていました。なにせ、受けなければいけない一般教養の講義を普通に取れば、あとはほぼ教育実習だけで教員免許が取れるからです。
それは取らない手はないと、俺は高校英語だ、中学社会だと、免許を取る者たちがたくさんいました。そして、教育実習に行った話をよく聞かされたものです。
教員になる気も、免許に興味もなかった私は、そんな彼らの話を右から左へ聞き流していました。
ところが、彼らが「どうせなら小学校(の免許)も欲しかったなあ。俺たちは文学部だからしかたないけどさ」と漏らすのを聞いて、妙に気になって聞き返してしまいました。
そのとき初めて、小学校教員免許は教育学部や教育大学でないと、取れないことを知ったのです。
思えばおかしな話です。
なぜ小学校教員免許だけがこんな扱いなのでしょう。人材を広く集めることが学校現場には必要であることが、こんなに言われているのに。
それはつまり、大学受験時に小学校教師になろうと思っていなければ、小学校教師になることができないということです。
教師は狭い世界だから。
と自他ともに言うそんな風潮の根っこはこの辺りにあるのかもしれません。
適格/不適格を問うのは、採用試験であり、免許ではないはずです。小学校教員免許は教育大学や教育学部の利権と化していて、外部の参入を妨げているとやっかみを言われても仕方ありません。
私の周りでも、教育大学や教育学部以外出身の教師は数えるほどしかいません。彼らはどうやって小学校教員免許を取得したのかというと、わずかな大学がやっている通信教育での取得がほとんどです。
通信教育や短期大学でも取得できる免許がなぜ4年制大学で取得できないのか、甚だ疑問です。すぐにでも、免許制度を改革し、多くの大学や学部から、小学校教師を募集してほしいものです。
ちなみに文学部を出た私はというと、文科省がこっそりとやっている、教員資格認定試験を受けました。これは3次までの試験をパスすれば学歴に関係なく、小学校教員2種免許(短大卒相当)が取れます。合格率は受験者数ベースで10%ほどですが、とりあえず受けとけ的な人も多いため、きちんと勉強すれば受かるはずです。
ただ、3回のテストでさえ与えることのできる免許が、どうして4年制大学で取れないんでしょうねえ…
0 件のコメント:
コメントを投稿