2011年12月14日水曜日

なぜ教師はWordで表を作るのか?

教育現場に入ってびっくりしたことがあります。

一つは、教師という生き物は恐ろしくパソコンが使えないということ。

もう一つは、パソコンが使える教師のWord能力が恐ろしく高いということです。

パソコンが使えない/使わない教師のコピー機の使用能力もかなりなものです。「そんな使い方するの?」と驚いたことも多々あります。しかし、何よりもびっくりしたのは、いわゆる「パソコンなら任しとけ」的な教師たちのWord能力の異様な高さです。

Officeを使うときには、きっとよく使うソフトというものがあるはずです。

pptをよく使う人、xslをよく使う人、そしてWordをよく使う人、自然と使いやすいソフトが決まってくるものだと思います。どのソフトを使ったとしても、同じような出来上がりの文書はできるからです。

しかし、Wordで表を作る人がいることにびっくりしました。どう考えても、100マス計算のようなただの格子状のフォーマットを作るのならExcelが楽でしょう。Wordで罫線を引きまくって出来ないことはないでしょうが、改行ひとつでレイアウトが狂うので私はとてもやる気になりません…が、教師の多くは、やるのです。

しかも、それが早いし、私が使ったことのないアイコンやプロパティを駆使するので、最初は画面を楽しく覗かせてもらいました。

また、会計をするにもやはりWordを使います。それはさすがに感心はせずに、なんて無駄な…と思いました。だって金額を打ち込んでも、合計も差額も出ず、手元の電卓を叩いているのですから。(今ではExcelでやっている教師も増えています。)

例を挙げればキリがありませんが、気になるのはどうしてこんなことになっているのか、ということです。

一昔前、教師も地方公務員の一種であり、各自治体が一太郎を導入し、その研修を繰り返したということは知っています。今でも「Wordは使にくい!一太郎がいい!」とこだわるベテランも多いです。
憶測ですが、その一太郎の研修をやりすぎたのがその一因なのではないかと私は思っています。一太郎でこれもできる、あれもできるとやっているうちに、すべてをワープロソフトでする文化が育ち、Wordが隆盛になっても続いているのではないでしょうか?

ただ、不思議なのは、大学を出てくる若い人たちもその傾向があるということです。Wordにこだわっているかのように、Wordを使います。
教育大学では、Wordばかりを使うように指導でもしているのでしょうか?

私に「Excel教えてください」と言う若い教師は少なくありません。もちろん、文系である以上、表計算をする機会は少ないのかもしれませんが、現在、学生である間になんの統計もグラフも作らないことがあるのでしょうか?

あるのかもしれません。
あっても、Excelを使わないのかもしれません。
レポートがWordならば、すべてをWordで終わらすのかもしれません。

Wordがいけないことはありません。しかし、Wordの制約の中で書面を考えるのは褒められたことではありません。これしかできないからと、ワークシートやプリントをWordの制約に当てはめることは子どものためにもなりません。

だからこそ、私はpptを勧めています。レイアウトは自由だし、写真やオブジェクトは行に左右されません。紙に書くのと同じような感覚で書類を作ることができます。

教師の中にはpptはプレゼン用だからと決めつけている人が多いように思いますが、印刷物を作る上でもかなり使い勝手がいいのはまちがいありません。

でもExcelにしろ、pptにしろ、新しいことを始めるとなると、「じゃあ、研修してよ」と口にするのもまた教師の常です。

いやいや、子どもに「みずから学べ」と言うんでしょ?
自主性が大事だと教えるんでしょ?

じゃあ、大人もやりましょうよ。ね?

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